Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
地球が動いた日
阪神淡路大震災から今日で13年の歳月を迎える。
この日にこそ見ておきたい映画がある。
「地球が動いた日」(1997年)
浜村淳ではないが、ここで紹介する。

この作品はアニメ映画で、被災した小学生の話。

主人公、小学6年のツヨシは有名私立中学を目指していた。どちらかと云えば、現代風のワガママな男の子。
そこに1月17日未明、地震が襲う。自宅は全壊。級友も命を落とす。
ツヨシは避難所の人々やボランティアの思いやりに触れ、命の尊さを知る。

と、書いてしまえば簡単だが、我々が報道でしか知らなかった情報がアニメの中にリアルに再現されており、アニメとは思われない「重さ」がある。実際に被災地を取材しているのがよく分かる。
自分も被災しているのに、生徒の安否を確かめに走り回る先生。避難所での不便な生活。譲り合う人、苛立つ人。後ろ髪を引かれる思いで街を離れる人。
それらが主人公の子供の目線で描かれている。

不登校のカズくんは地震で父親を亡くす。そして亡くなったクラスメートも一緒に「みんなで卒業式を迎えよう」の合言葉は叶うのか…。
自宅は全壊したが、息子の為、懸命に頑張る両親を見たツヨシの決断は…。

エンディング。
卒業式後、親戚の待つ徳島に引越すカズくんは神戸を離れる。線路沿いの海岸をクラスメートと先生が手を振って追いかける(須磨海岸らしき場所)
彼は初めて笑顔を浮かべ、懸命に手を振る。
蛇足ながら…カズくんが乗る電車が湘南色の113系という辺りが当時を物語る。3月は既に神戸以西の鉄道が復旧していたので正しい設定。
さておき、播磨灘に沈む夕日が印象的だった。
8年程前にテレビで放映され、偶然見た映画だった。
常に張り詰めた思いで画面に釘付けになり、涙が溢れかえっていた。
被災地で繰り広げられた事象を繋げたような映画だが、それが却って迫力を持って語りかけてくる。

おそらく小学校等では防災・道徳教育に使用されているだろう。
命の大切さ〜とか、思いやり〜等と授業で講釈しなくても、この映画一本で言わずもがなかもしれない。

被災地への配慮もあると思うが、大災害等を語る映画はドキュメンタリーくらいしか目にしない。
この作品はアニメとは云え、真正面から震災に向き合う貴重な映画だと思う。身体的、精神的、物質的に受けた被害。直面する問題。学んだこと。人の温もり。
当たり障りのない内容では、次世代に正しく語ることはできない。地震への備えとその恐ろしさ、受ける痛みを少しでも共有できればよい。
DVD発売中。

とにかく今日は寒い。我が身に降りかからないと分からないのが災害の怖さ。1995年も2004年の冬もこんな夜だったのか。
寒空の下、今日は亡き同級生を思い出す日。

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