Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
「つばさ」を広げて
山形新幹線「つばさ」
初代400系電車が去る18日で引退した。高速タイプの後継車に置き換えられた。
山形新幹線は1992年開業のミニ新幹線。
ミニ新幹線とは建設費と工期を抑えて新幹線と在来線を直通できるようにしたもの。山形新幹線、秋田新幹線が該当する。
新幹線の線路幅(軌間)は1,435mm。在来線の1,067mmより広い。
また、新幹線普通車の座席は5人掛けとなっているように、車体も大きい。ミニ新幹線では在来線の軌間を広げる工事と、在来線サイズで2種類の架線電圧に対応できる新幹線車両が開発された。その初代ミニ新幹線が400系。約18年間活躍した。
小振りな車体にガンメタリック色の400系を初めて見た時は新鮮だった。
初めて山形新幹線つばさに乗ったのは1993年。福島〜米沢の在来線区間だった。
新幹線なのに踏切がある!と言っても在来線区間は最高速度130km/hなので、特急サンダーバード等と大差ない。特に前述の区間にある板谷峠では70km/h程度まで速度が落ちた。
新幹線区間では最高240km/h運転のつばさ。急勾配よりも急カーブが行く手を阻むようだった。それでも軌間の広い線路上を新幹線性能の電車がゆっくり走るので大変乗り心地が良かった記憶がある。
山形新幹線・カリスマ車内販売員の斉藤泉さんも、自身と共に歩んだ400系の引退を惜しんでいることだろう。

国策でミニ新幹線方式は採用されなくなったものの、電車側の車輪を可動させて軌間を変更できる「フリーゲージトレイン」が実用化に向けて試験中。専用のインターチェンジみたいな物を作れば在来線側の線路を工事をしなくても直通できる。

ところで、ミニ新幹線方式をはじめ、新幹線建設が盛んなのは東日本。今年12月には青森まで、約3年後には現在長野終点の線路が金沢まで延びる。
西日本では九州で鹿児島ルートの博多〜新八代が来年の開業に向けて建設中だが、今までミニ新幹線が建設された経緯を考えると、岡山から直通で四国・山陰へ。小倉から大分・宮崎など、ミニ新幹線方式がもっと議論される余地はあったかもしれない。

東北地方では古来、馬が長距離移動の手段だった。陸上輸送がメイン。
西日本では瀬戸内海の海運が発達し、海上輸送に重点が置かれていた。
つまり「西船東馬」ということになる。

私が知る限り、中国・四国地方でミニ新幹線を作ろうという話は聞いたことがないので、このような歴史的感覚が、その地域では現代も引き継がれているのかもしれない。
逆に新潟の上越新幹線では長岡から柏崎に県内ミニ新幹線案があったとか…。同様に新潟から酒田へ直通させる羽越新幹線案もあるらしい。

そんなお国事情を思いながら時刻表の地図に描かれた新幹線網を見ていると感慨深くなる。

400系「つばさ」1993年6月・米沢駅

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