Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
その頃、姫路駅では
今日で特急「はまかぜ」在来車両・キハ181系が引退する。

「最終列車を姫路駅で静かに見送りたいですね」

私の発言から4名が集まった。

姫路駅では19時代に「はまかぜ」上下最終列車が発着する。
19:05 6号・大阪行
19:21 5号・鳥取行
いずれも播但線経由なので方向転換のため、姫路で5分ほど停車する。

おそらく鉄ちゃんで大騒ぎだろう。なんて話しながらTさん・Mさんと駅前の居酒屋で時間をつぶす。(ご馳走様です)

今日は見送ることが目的なので、軟弱マニアの私は携帯電話のカメラしかない・・。

18:50頃、姫路駅2番ホームに上がると・・・

ファン特製・手作り垂れ幕が出現。(JRは一切関係ありません)

さすがに引いた;よくテレビに映っているが、こういうものを目の当たりにするのは初めて。

ところが垂れ幕を持つ当人が、

「自分も撮りたいんやけどぉ〜!」

と言っているの聞いたMさん。

「代わっちゃろ!」

人懐っこいMさんらしいサービスというか、我々は一杯機嫌?

そうこうしていると撮影者にもみくちゃにされながら大阪行・6号が到着。


ドアが開くと一斉に20〜30代男性群が飛び出してきた。5分停車の撮影タイム。思わず圧倒されベンチに腰掛けて待避。
今日から山陰地方は松葉カニの解禁で観光客もいる。が、一般客はドン引き・・・。
よりによってこんな日に乗車されたおネエちゃんたちは気の毒?


7番ホームに移動して下り・5号の到着を待つ。

「お〜い!」
声を掛けられて誰かと思ったら伊勢屋の“ゆうちゃん”だった・・。
「何やってんですか?」

「見りゃ分かるやろ。自分も撮影に来たんやろ?」

ホーム端では野里の大野邸当主、大野さんにも会った。
なぜかこういうときは知り合いに会う。

列車は7分ほど遅れて再びもみくちゃにされながら到着。6両編成は満席。

先ほどと同じ光景が繰り返された後、警笛一斉「プア〜ン」

いよいよ最後の瞬間。エンジンを吹かす。

頭に響く唸りが6回、目の前を通り過ぎると、闇の中に排気ガスで薄暗く曇るテールライトとなった。

播但線の線路に入るため、列車の灯りが左右に揺れる。赤いランプと運転席の白い蛍光灯、そして「はまかぜ」の黄色い電照板が小さくなっていく。
左へカーブする車内照明の列が見える。最後は赤い点になって消えていった。


ホームには排気ガスの臭いだけが漂っていた。

今日で「はまかぜ」を引退したキハ181系は約40年間の活躍に終止符を打つ。同車は非電化山岳線を中心とした、東北、中部、山陰、四国地方の長距離列車として活躍。電化や次世代車両への置き換えが進み、最後は「はまかぜ」のみとなった。
今冬、臨時列車で使用された後は廃車される。

そういえばJR発足後、初めてキハ181系が引退したのは17年前の四国。予讃線・松山電化による余剰廃車だった。
このときは高知から試験の帰り道で、わざわざ特急「しまんと」を選んで乗車した。「さようなら。四国初の特急車両181系」という高知駅の看板を覚えている。その2週間後、四国ではなく新潟へ住まいを移した。今の私があるのはこのときが分岐点。
外は真っ暗だったが、当時18歳の少年は色んなことを考えながらの旅。印象に残っている。意外にもこれがキハ181系初乗車だった。そんな思い出がある。

さらば、高度経済成長期のディーゼル特急列車。
さらば、青春の日々よ。
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