Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
明日からはじまる〜写真展
2週間前の振休が取れたので、午前中は姫路文学館へ。
写真展示の一隅に模型を置きたいので貸してほしいとのTさんからの依頼を受けて持参する。

折りしも広田さんは、新聞各社からの取材対応に追われており、展示作業は遅れ気味だった。
写真集に掲載されているものだけではなく、最近撮影された写真も展示されていた。たとえば・・福島第一原発事故の影響で、運転再開の目処が立たないJR常磐線。折り返し駅となった広野駅。この先に電車は入らない。線路上を遮る柵と赤信号、ホーム先端に佇む地元の女性。先の見えない不安を象徴しているかのようだ。


私は今回の展示作業を見るのは初めてで、写真パネルの生々しい現実に胸が締め付けられる。


昨夜、広田さんにお話を伺った。昨日書けなかった話。

広田さんは茨城県ひたちなか市で撮影中に地震に遭遇された。
必死で内陸部の道路を選んで走ったという。川の水が逆流しているのを見たという。
それからというもの、被災地でボランティア活動の日々。ガレキの片付けを終えた夕方や早朝、被災した鉄道沿線の現状の撮影をはじめた。
それはカメラマンとして、鉄道が好きな人間として「記録」できること、「伝える」使命を直感したのだろう。

曲がった線路、ガレキに埋もれた駅の看板・・
それだけではない、笑顔でメッセージボードを掲げて、営業再開へ前向きに頑張る鉄道員の方々の写真、鉄橋ガード下に掲げられた「自衛隊の皆さん、ボランティアの皆さん、ありがとうございます!」という手書き看板。

これらの着眼点は広田さんのパーソナリティによるものだろう。

何よりも印象的な言葉は、「あのとき俺は何をしたんだ」と振り返るとき、後悔しないようやってきた。ということ。胸に突き刺さる思いがした。
その後、和歌山の台風12号災害の時も現地へ駆けつけたのだという。
2本のレールのようにまっすぐな方なんだなぁと思った。
「講演会の壇上で泣いちゃうよ。きっと」と、水割りのグラス片手に首を振っておられた。

明朗なセンスがにじみ出ており、被写体がポジティブになるようなカメラマンの人間性を感じる。
私が「はい、笑って〜」と言ってもみんなこわばっているし・・。

カメラマンとは、レンズではなくその人全体がカメラなんだな、と思った。
鉄道写真家という硬派なイメージを良い意味で裏切ってくださる方だと思った。
昨夜は気が付けば日付が変わっており、貴重なご縁ができた「うるう年」となった。


言葉だけで語ることはできません。
いよいよ明日からです。



ぜひとも、姫路文学館へ足を運んでみてください。

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