Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
個食
神戸の連続児童殺傷事件から早9年の歳月が流れた。中学生による犯行は衝撃だった。その後の少年犯罪の低年齢化のきっかけとなったような事件だ。
あの「酒鬼薔薇」は少年院を出所して、どこかの街で社会に復帰しているという。被害者の男の子は今年で成人するはずだった。失われた命は二度と戻ってこない。両親の無念が報じられていた。

しかし、凶悪犯罪の低年齢化の引き金は何か。あまり考えたことがないのだが、大人の拝金主義、インターネットによる匿名化、情報過多の社会・・・それも踏まえ、家族の形が変わってきたことが大きいかもしれない。

ある本に「保育園で過ごす時間の長さは、子供の発達にほとんど影響せず、家族で食事をしているかどうかが子供の発達を左右する」とあった。
厚生労働省の研究結果では、夜間保育園を利用している185人の子供を追跡調査した結果、保育時間の長さによる発達の差はなかったという。働くお母さんには心強い事実だ。
一方、家族で食事をする機会がめったにない子供は、対人技術の発達が遅れるリスクが約70倍、理解度が遅れるリスクは44倍高い結果が出た。
つまり、現代の子供は習い事や24時間化する社会で、独りで食事をする機会が増えた。仕事帰りの電車では、習い事のために、弁当を持たされている小学生も見かける。いわゆる「個食」である。
昔は、両親どちらかが遅くなっても、祖父母が家にいて一緒に食事をした。食事の時間に、多くを自然と身につける。核家族化が進んだ現代、子供一人でレンジでチンして夕食というケースもある。お金をもらってファストフードという子供もいる。(個食の代表格のくせに「我々は食育を考えます」等と、○○○ナルドは謳っているが)

私は独り暮らしで6年間「個食」だった。独りで飯を食うというのは、実に味気ない。行儀が悪くなる。自然と早食いになる。味覚が乏しくなる。偏食になる。栄養が偏る。ましてやコミュニケーション等は皆無だ。コタツで寝転んでポテトチップスを食べながら眠ってしまい、ジャンクそのものな自分の堕落ぶりにあきれたことがある。
それが子供に当てはめるとどうなるか、想像に難くない。

新幹線の車内販売でみんな思い思いに弁当を購入し、それぞれが自分の席で黙って食べる。まさに大人たちの「個食」を実感する瞬間だ。(出張など事情があるので仕方ないことなのだが・・・)

私は子育てらしい協力は何もしていないが、「食育」は大切だと思う。ウマイマズイ、量の大小ではなく、皆で食べることを通して築かれるものがあると思う。それが1,300gのカレーを食べた人間の務めだと思う。


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