Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
ここから始まる〜講演会 
13:30 姫路文学館にて広田泉さんの講演会が開催された。約120名の参加。新潟からのYさんと一緒に聴講する。


鉄道カメラマンである広田泉さんは、茨城県で仕事中に地震に遭遇。
この状況に仕事どころではないと、初夏になる前から行動を開始。岩手県宮古市、大船渡市、陸前高田市、宮城県南三陸町、気仙沼市などを拠点にボランティアとして現地に入った。
その合間、朝夕を中心に写真を撮り続けた。カメラマンとしての本能だろう。
写真集の撮影場所の震災前後の状況や現地での体験など、持ち前の表現力で生々しく語られた。

講演の中にはこのようなエピソードがあった。
南三陸町で、自宅のあった場所から写真を掘り起こそうとしている母子に出会ったという。お母さんと小学校低学年の男の子。
一緒に泥を掘り起こしても家の基礎だけで、身の回りの品は何も見つからない。

支援物資として型の古いデジカメを多く提供してもらっていた。

「デジカメをたくさん預かってきました。どうかこれから使っていただけませんか?」

そのお母さんはしばらく沈黙した。広田さんは不適切な発言だったかと後悔した。すると、

「そうですね。また一から思い出を撮ればいいんですね」

という返事とともに喜んでくれた。広田さんは男の子にカメラを渡した。
食料や衣類だけではない、これから立ち上がるために、写真が持つ力を感じたのだという。

後に、気仙沼市で子供達の笑顔の写真を撮るという企画を行われたそうだが、このような経験が生かされているのかもしれない。


地震発生時刻14:46 参加者全員が東北地方の方角を向いて黙祷。


最後にスライドショーが上映された。

現地では、みんな音楽を聴きながら活動していたそうだが、その辺りを踏まえた選曲だろう。薄暗い廃墟となった街の写真をバックに流れる「時代」
その画像とともに、来場者の世代を超えて知られた音楽が胸を打つ。

mihimaruGT 「願〜negai〜」という曲。

“愛すること傷ついても明日が来ること 今ただ信じて 見えない道を歩き出そう 愛する人旅立つ人すれ違う人 問いかける涙の意味 願いは今 光になる”

メッセージを掲げて笑顔で集合写真に並ぶ人たち、再び走り出す列車、前を向いて立ち上がろうとする人たちの画像と共に流れた。元気をくれるすばらしい曲だと思った。(曲自体は2004年頃のものらしい)

前日、広田さんに伺った話では、ボーカルの女性が兵庫県芦屋市出身ということで「兵庫県ということで今回のスライドショーに選曲しました!」とのこと。
このスライドショー、準備でほんの少しだけ再生テストを目にしたが、これはヤバイと思った・・
今日は涙腺が緩みっぱなしだった。


広田さんはこの日を姫路で迎えることを選んでくださった。東北地方に想いを馳せる多くの方と一緒に祈ることができた。

色々なことを考えさせられる日だったが、時間と共に薄れていく記憶。決して風化させてはならないということ。

最後に広田さんはこのように締めくくった。

「被災された方々にとって非常に辛い出来事でしたが、何とかしたいという想いでやってきた自分の中では、このような活動が出来て良かったと思います」


夕方、伊丹から空路で帰るYさんを姫路駅で見送った。

広田泉さんを通じて、様々な方との「つながり」を体感した3月11日だった。


写真展は3月25日まで開催中です。(入場無料)
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天空の白鷺
昨夜は遅かったのでチョット辛い。
広田泉さんを通じた様々なご縁はとても素晴らしいものだった。

朝9:30 Yさんと合流。姫路城へ案内する。
広田さんの講演会は午後、午前中は姫路城見学とした。

2015年まで大天守の改修工事が行われている姫路城。

大きな箱で覆われた天守。その中に設置されたエレベーターで工事の様子を見学することができる施設「天空の白鷺」


最上階の8Fでは屋根修理の様子が窓越しに見える。エレベーターと空調の効いた施設は仮設のものとは思えない。高齢の方が姫路城に自力で登城するには負担が大きいが、この施設なら容易に見学できる、あと3年間の期間限定。次回50年後?の改修時、姫路城はどうっているだろうか。
「バーチャル3D姫路城になっているかも?」等とYさんと話した。

11:30頃、文学館へ移動する。
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