Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
昨年は
おかげさまで娘は明日で1歳となる。昨年の出来事を思い出す。

昨年の今日、妻が入院した。会社を休んで朝から新潟へ向かったのだった。緊急ではなく、兆候があるため早目の入院だったので、割と落ち着いていた。
東海道新幹線「のぞみ」、上越新幹線「とき」を乗り継いで6時間の旅。上越新幹線は新潟県中越地震から復旧して初めての乗車だった。所々でスピードが落ちた。至る所で山が崩れて地表がむき出しになっている光景を目にした。東京からの「とき」は、今は絶滅した、白地に緑色の元祖東北・上越新幹線電車(200系)だったのを何故か鮮明に覚えている。

新潟は小雨。午後1時半、燕三条駅に母が軽トラックで迎えにきてくれた。エンジン音も高らかに、病院へ走る。厚生連の総合病院だ。
2ヶ月ぶりに会う妻は思いのほか元気だった。医師より説明を受ける。

結局、陣痛は夕食後、6時頃から始まった。お茶を汲みに廊下に出ると、雨が上がり、鉛色の雲間から夕焼けが見えていた。日本海に沈んだ夕闇だった。このとき、赤ちゃんは女の子だろうかと思ったりもした。
11時過ぎ、看護師さん(実は助産師でもあった)が様子を見に来て、「もうすぐ産まれるね」意外に早いと思った。日付が変わる直前に分娩室へ入った。
「ダンナさん入る?」「あ、はい」「じゃあこれ着て」
立会い出産は、事前に研修を受けるものとか聞いていたが、意外に適当だ。

その後どのような場面だったかは、当事者の話を聞くほうがリアルだろう。

ちなみに立会いは、NHKのドキュメントとかで出産場面が出てくるように、それと同じで、夫は母親の頭側にしか立てないので、まさに出産の決定的な瞬間は目の当たりにできない。覗き込もうとして、「下がってね」と注意された。そりゃ邪魔だ。
等と後日話していたら、「興味本位でしょ!」と突っ込まれたが。

そして娘は午前1時10分に産まれた。声が印象的だった。聞いたことはないが、耳にしたことのある声だった。今も同じ声だ。音量は大きいが。
アメリカでは産まれた赤ん坊にwelcome!というらしい。この世へようこそ。父母の元へようこそ。というような意味が感じられる。そんなことを思い出した。

母と子は私の到着を待っていてくれたかのようだった。「模範的安産でした」先生と助産師さんに褒められて私も鼻が高かった。実は帝王切開を翌日に控え、重複せずにホッとしていたらしい。
午前2時頃、帰路についたが、早く目覚めた。(妻の実家は早起きだという理由もあるが)

15日は梅雨明けを思わせる真夏日で、群青色の空と、稲穂のまぶしい緑がすがすがしかった。近所のスーパー「フクヤ」に弁当を買いに歩いたら、汗ばんだ。足取りは軽かった。この日はとても長い1日のように感じた。
病室から三条の街を見ながら、母と子のふるさとを実感したのだった。



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