Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
斎藤さん
斎藤泉さん(33)という方をご存知だろうか。彼女はカリスマ車内販売員として有名だ。
カリスマと呼ばれる理由は、彼女が乗務する山形新幹線、東京〜山形往復で30万円を売り上げたことがあるという。普通は平均8万円くらいらしい。後ろに目があるのではないかという位、お客さんの声がかかるらしい。その手腕は見事で、最初の車内1往復で、確実に乗客の様子を掴み、引き返すと飛ぶように売れるらしい。斎藤さんが美人だからという理由だけではない。
まるで実際に耳にしたような事を書いているが・・・。

「“挽きたて”のコーヒーはいかがですか」
「“車内限定”のラ・フランスゼリー」
「私が食べても美味しかったですよ」
本人には「当たり前」の内容でも、口にしないと乗客には伝わらないらしい。
そして、乗客の観察も怠らない。新聞を読んだり、パソコンを開いて難しい顔をしている人でも、次に戻ったとき穏やかな顔をしていれば、何か欲しい合図らしい。また、昼時にはお菓子の販売は控えるそうだ。子供が欲しがって昼食が入らなくなる懸念を母親に与えるらしい。「ね〜アイス買ってよ〜」というような。
そして、盆正月の帰省をずらして、家族連れが移動する(我が家はその典型)時期を見計らって、ワゴンに積む商品の種類も考慮するそうだ。時には会社に、商品パッケージの提案を行なったりもする。
お客様のニーズは何かを瞬時、的確に読み取って実行する。とても人間業とは思えない速さだ。イチローや松井が、ボールを識別してバットを振る瞬間もこのようなものらしい。

斎藤さんは短大時代に、アルバイトで山形新幹線の車内販売員を始めてから今日に至る。今も2ヶ月更新の契約らしい。そんなにスゴ腕なら正社員になればいいのにと思うのが素人で、理由は現場にいたいからだという。現在は、車内販売に乗務するかたわら、全国の企業や団体から依頼を受けて、講演活動も行なっている。上述のような考え方が、社員教育には有効なのだろう。

 
「『仕事や会社が大好き』という人が不思議。現状に満足していないからこそ、現場からどんどん声を上げて、全体のサービスの質を高められると思うのです」
乗客との一期一会。マニュアル通りの仕事しかしない後輩を見ると「もったいない」と思う。車内限定のあんパンを売るのにも、「1個200円」で終わりではなく、次に巡回したとき「お味はいかがでしたか。おみやげにすることもできますよ」と話しかければ、売り上げ増だけではなく、お客様の本当の笑顔に出合えるのに−−。

という斎藤さんの言葉が新聞取材のサイトにあった。決して仕事は楽しいものではないという、プロの言葉の重みを感じる。そう簡単に斎藤さんのようにはいかないが・・。


その斎藤さんが姫路へ講演にやって来るという話をTさんから聞いた。平日なので私は聴きに行けない。
「写真撮って来てくださいよ」
一企業の経営者に興味本位の撮影を依頼してしまったわけだが・・・。護衛やらマネジャーが付いており、休憩中にじわじわ近づいて会話できたらしい。その甲斐あって、確かに弁当の2つも買いたくなるような綺麗な人の写真だった。(結局見た目か;)Tさん、ありがとうございます。

一度でいいから、斎藤さんから米沢の「牛肉弁当」を購入してみたいものだ。
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