Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
歳月
阪神・淡路大震災から16年の歳月が過ぎた。

忘れるな、風化させないように、という言葉は、実は行政が自身に言い聞かせるセリフなのかもしれない。
当事者の方々は忘れようにも不可能なこと。
佐用の洪水や新潟、岩手の地震など、その土地に居る人にしか苦しみは分からない。


先週、新聞に県内各地の小中学校で「命」について講演を行っている佐用町の先生の記事が掲載されていた。
先生はあの日、成人式を迎えたばかりの娘さんを亡くしている。神戸大学の学生で、下宿先のアパートが倒壊した。
実はその娘さんとは高校の同級生だった。同じクラスになったことがある。彼女とはほとんど会話することがなかったのだが、頭の良い子で、1時間以上かけて汽車通学していたのを覚えている。地震から2ヵ月後にその話を聞いてたいへん驚いた。

しかも先生は教え子を一昨年の佐用の災害で亡くしているとのことで、何重もの苦しみを経験されている。今日、定年を過ぎても教壇に立って語り続けることが、自身の使命と考えているのだろう。


私を含めて、私の友人は出来のいい奴がいなかったので難を逃れているが、神戸大に進学した人はたいてい下宿していたという。
皮肉にも翌日が平日だったので、彼女は成人式を終えて自宅から神戸に戻り、授業に備えていたのだろうか・・。

歳月を経た今、ようやく口にする事実。

時の流れは無常に過ぎていく。あの時の若者がオッサン、オバチャンになってしまった。年寄りになっても当時の出来事を誰かに聞いてもらうことが、未曾有の災害への備えになるのだろう。
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