Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
樹木医
先日会ったIさんは「樹木医」だという。私と年齢はたいして変わらない方で、造園業を営んでいる。
ゆっくり話すのは初めてで宴席上ということもあり、ずいぶん謙孫していたように思う。
「まあ、土方仕事ですから・・わざわざ大学出てまでするようなコトじゃないですよ」という。

本人には咄嗟のことで言えなかったが、樹木医とはなんという素晴らしい仕事だろう!

たしか樹木医で有名な人がいた。その場ではどうしても思い出せなかったので調べてみたところ、山野忠彦 氏の名前が出てきた。この人こそ日本で初めての樹木医。1,000本以上の樹木を蘇らせた。人生の後半、40年余りを木に捧げたという。木に手を当てるだけで症状を感じ取ることができるようになったという。「かわいそうに、どこが痛いんだ?」と。

Iさんは、頭も腕っぷりも良いようだ。
進学校として有名な岡山県の私立高校へ遠距離通学していたという。
第2次ベビーブームで少子化以前の時代。電車内には“ワル”が集う私学の生徒もおり、少なからずトラブルもある。
そこで私学の不良生徒がIさんの通う高校の生徒達の治安を保証する代わりに、学力ではIさん達が彼らをサポートする。そんな協定をIさんが結んだという。アリとアブラムシの関係みたいだ。
20数年前に山陽本線の115系電車(緑とオレンジの湘南色)車内でそんな出来事が繰り広げられていたことを思うと面白い。

そして国公立大の農学部を卒業後、趣味の音楽が嵩じてバンドマンなどを経て、結婚を機に地元へ戻り現在の仕事をしている。

医師を一族に持つ彼は、それなりに葛藤があるのかもしれない。
でも「木のお医者さん」なので同じ医師じゃないか!

「お父さんの仕事は木のお医者さんだよ」と言えば、なんて夢のある素晴らしい仕事をしているんだと、子供たちは感じるだろう。


たしかに、自営業で生活が掛かっており、妻と二人の子供を抱えて優先されるものがあるだろうが、自分の信念を職業に生かしており、たいへん幸せだと思う。

サラリーマンの私は何も考えずに、単調な日々を過ごしている。自分は何のために仕事をしているか、やり甲斐を含めて回答を求められると、答えに詰まってしまう。
Iさんは偉大な人に見える。ユニークで頭の回転の速い人。タダの酒飲みではない。そんな彼を尊敬する。


面と向かってでは口下手で伝えられなかった。彼がこの話を読んでいるかは分からないが、どうか「木のお医者さん」として胸を張ってくださいとお伝えする。いや、今度会ったときは言いたい。



そして彼の趣味は音楽と太公望でもある。

自宅に大きな「グレ」の魚拓が掲げてあった。「グレ」という魚は「クロメジナ」のようだ。
ぜひとも釣果を食したいものだ。「白鶴・マル〜!」という具合に?

公私ともにすばらしい仕事、すばらしい趣味を謳歌している。輝く人が身近にいたことを嬉しく思う。


かくいう私は「鉄道マニア」せめて役に立てることはないか自問している。
釣りや音楽のように「あ〜いいね!」素人目にも認められる世界でありたいと願う。

魚拓に対抗して、自宅玄関にSLのナンバープレート拓本を飾ろうとしても理解してもらえないだろうな・・・。

庭に線路や信号機を置いている知人はいるのですが〜。
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