Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
哀しみ本線・・・
寝台特急「日本海」が来年3月で廃止されることが判明した。
大阪〜青森を結ぶ夜行列車で、利用客の減少と車両の老朽化でついに廃止の運命を辿ることになった。

「日本海」という漢字と荒波をデザインした紺色のヘッドマーク。その列車名のとおり、質実剛健な寝台列車で、食堂車どころか、個室すら連結されていない。列車名誕生から44年、黙々と関西〜青森を結びつづけた。最盛期は2往復体制で、うち1往復は青函トンネルを経て函館まで運転されていたこともある。

大阪駅で発車を待つ「日本海」
このようにトワイライトエクスプレス用の機関車が牽引する日もある。

(2011.2)


さて、定番どおり寝台特急「日本海」の思い出を語ってみよう。

20歳の時、初めて北海道へ行く際に乗車したことがある。
なかなか眠れず、通路の折りたたみ椅子に腰掛けて外を眺めた。
深夜の羽越本線。新津から北は単線区間が増え、カーブも多くなり速度が落ちる。駅通過の際、左右へ揺さぶられる。反対側の線路で貨物列車が待っている。
外は真っ暗で、線路沿いの集落は寝静まっている。並行する国道7号の街灯と長距離トラックのライトが流れ、遠くに漁火のようなものが見える。目の前は漆黒の日本海だということが分かる。時々、トンネルに入ると薄暗い車内が窓に映り明るくなる。夏場なのに物悲しくなる。まさに、タイトルの如く、森○子の曲を思い出してしまう。

複線で真っ直ぐな北陸本線は旅の序章。深夜から未明にかけて新潟・山形・秋田県の海沿いに、頼りない羽越本線をひたむきに走る様子がこの列車名に似合っていると思う。


「日本海」が走る様子も幾度となく目にした。
学生時代、友人の車でしょっちゅう深夜ドライブをした。眠い目をこすりながら外を見ると列車の灯りが見える。車内は消灯され、車端部の行先表示だけが行儀よく並んで走っていた。
先述の羽越本線などは速度が遅いので自動車と併走することもできた。

深夜の無人駅で通過を見送ったこともある。
電気機関車のブロワー音のあとに、軽快な客車の乾いたジョイント音が続く。最後に電源車の騒音。(大阪行の場合)
グゥウォ〜ン・・タタンタタン・・タタンタタン・・・ブワ〜ン

500mlの紙パックを飲みながら、遠ざかるテールライトと列車名サインが光る蛍光灯を眺めた。(当時は500ペットボトルがなかった)

「日本海」には乗車のみならず、深夜に見た記憶が焼きついている。


等と妻に話すと、

「ふ〜ん。そいうえば私、高校時の合唱コンクールで松山に行ったとき“つるぎ”に乗ったよ」

「!」

なかなかやるな・・私は乗らずじまいで廃止されてしまった寝台列車;
「日本海」のような列車は、山形県庄内地方、秋田、青森から関西への修学旅行生に需要がある。10年前に廃止された、昼間に大阪〜青森を結ぶ「白鳥」号もそうだった。
修学旅行の時間数には制限があり、特に夜行列車は有効に時間活用ができるらしい。




最後の「日本海」に乗って青森まで行きたい。すでに年明けに青森行を計画している知り合いの方もいるが、私はそんなに休めないし留守にできない。

できれば年末、家族を先に帰省させて単身「日本海」で青森へ。トンボ帰りで今年開業した新青森から東北新幹線に乗車。大宮で上越新幹線に乗換て夕方に新潟入りできる。

12月30日 大阪発の日本海に乗りたい・・等と思いますが、一人で寝台のボックスは寂しいものです。どなたかご一緒しませんか?(年末にそんなヒマな人はおらんわな;)


放牧許可済ですので、我が家が「インフルエンザに罹らずに年の瀬を迎えることができれば叶う話」です。昨年は切符まで用意しておいて帰省を諦めましたからねぇ・・。


「青森一人で行ってきてもいいけど電車賃は自分で用意してネ」

「・・・・」
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