Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
ミニトリップ


「そばを食べに行きませんか?」Tさんより誘いがあった。そば屋ではなく駅だ。えきそばか?
いやいや、北条鉄道(加西市)という廃止の危機に瀕するローカル線の活性化イベントで、途中の「法華口駅」駅前で有志の方々がそばを打つという。Tさんの知り合いの方々が主催しているという。Tさんとお友達の方とそのお子さんも参加するとのこと。
これは家族サービスに面白そうだ。(結局鉄道か;)

少し寒いが、雲ひとつない晴天。
自宅から車で約1時間、田んぼの真ん中にある法華口駅に着いたのは午前11時頃。古びた駅舎の前にテーブルと椅子が出され、待合室ではそばを打っている。先に到着していたTさんが出迎えてくれた。
「もうすぐ列車が来るよ」
折角なので終点「粟生(あお)」まで往復することにした。

2両編成のディーゼル列車がやってきた。小型のレール・バスと、ひと回り大きいディーゼル車が仲良く手をつないでやってきた。大きいほうの車両は「サンタ列車」として、絨毯敷きで装飾があり、子供達でにぎやかだ。貸切なので、一般の人は小さい方にしか乗れないとのこと。残念。
しかし、娘は「プァーン」と言って喜ぶ。Tさんと、お友達のSさん親子と一緒に乗り込む。往復約30分のミニトリップ。レールバスは、その名のとおり、バスサイズの鉄道車両。車輪2個で走っているので、乗り心地が悪い。しかし、のどかな沿線風景に溶け込みながら走る。
娘は乗客の疎らな車内で愛想をふりまき、いつもながら高齢者の人気者になる。再び法華口駅に戻ると、先ほど菓子をくれた主催者メンバー?のおばちゃんが、待ち構えていたかのように娘を出迎えてくれた。

打ちたてのそばを土産に購入する。昼時とあって、思いのほか人が多い。多くは地元の家族連れだが、私のような鉄道マニアもちらほら。

北条鉄道は国鉄の赤字路線であった北条線を、沿線の加西市が引き受ける形で誕生した。第3セクター鉄道のさきがけ。発足から20年、元々経営不振の路線ということもあり、補助金も底を尽き、廃線の危機らしい。古いこの駅も、瓦を葺き替える予算がないのか、台風の痕の如く、一部は雨漏りよけにビニールシートが掛けられている。そんな事情もあり、設備は昔のままだ。

「今は何もないこの駅にも、昔は農業倉庫があったんですね〜」
「この倉庫の形は播州型といって・・・」
「余興にこんなの作ってきました」
「おお、別府鉄道のマッチ箱客車!」
居合わせた「同業者」の人も交えて、Tさんたちと鉄道談義に花を咲かせていたら、妻から電話。娘が腹を空かせたようだ。この後昼食に出かけるTさん一行(午後からTさんの会社で模型の汽車を走らせて遊ぶのだろう?)に挨拶して駅を辞す。
すぐ近くの公園で昼食とした。
あとは誰もいない公園の滑り台で遊んでいたら、我々を乗せたレールバスがまた戻ってくるのが見えた。
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