Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
原風景

妻の実家から野菜と一緒に「高橋まゆみ・創作人形の世界」図録が届いた。
お爺さん・お婆さんの人形達が、まるで語りかけてくるようだ。
高橋氏は長野の人らしい。その視点に納得。祖父母と一緒の家族の温かさみたいなものが静かに伝わってくる。高齢者はマスクをするという特徴を心得ている。(私の祖母も然り)農村では頭にタオルみたいな物をかぶるという特徴も。
さておき、印象的なのは、母恋しさに泣く孫をあやすため、枯れた乳を出す祖母(曾祖母にも見える)の人形には涙を覚えた。私が乳児の頃、高齢故に転んだら危ないからと、抱かせてもらえなかったという曾祖母を思い出す。

ふと思った。自分の原風景は何か。
私は今もそうだが、田舎町の出身だ。西の山に日が沈み、夕焼けが映った川面が赤く染まる。オレンジ色の空と真っ黒な山の陵線、家の灯りがポツポツ点灯する。薄暗い帰り道。古い庄屋の屋敷の前は、裸電球が灯り、妙に不気味だった。
夏なら水田の匂いがする。ピョーッと、ローカル線の汽笛が遠くから聞こえる。祖母に負われて見たような、そんな様子かもしれない。

私と出身が異なる妻は、また異なる原風景があるだろう。むこうも田舎の人なので、多少通じる所があるかもしれないが。

高橋まゆみ氏の人形達は、そんな原風景を思い出させてくれる。


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