Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
諏訪子
神戸市立王子動物園のインド象、諏訪子が死去した。享年65歳。人間で言えば100歳以上。国内最高齢の象さんだった。

「諏訪子」は戦前、王子動物園の前身となった諏訪山動物園の名称に由来する。まさに歴史の証人、いや証象。
10年ほど前に伴侶の太郎を亡くしてから、屋内に引きこもりがちだったという。象も我々人間と同じ。
いや、熟年離婚などがない分、象のほうが立派か。動物園では離れられないという説もあるが。

ちなみに夫婦に例えられる鳥「おしどり」
実は浮気をする奴もいるらしい。
ますます人間的だ。



ところで、王子動物園といえば名物飼育係の「亀井さん」を思い出す。こんな話がある。

巨大なヘビには生きたウサギを与える。勿論、観客の居ない時に行う。しかしある日、ヘビがウサギを食べないうちに開園時刻となってしまった。

ヘビに睨まれて怯えるウサギを見つけた女の子が、

「おじさん、大変!ウサギを助けて!」

亀井さんは直ちに檻に入ってヘビを追い払い、ウサギを助けた。

それから何年か経った。その女の子から動物園に手紙が届いた。

それは、学校の授業で弱肉強食の世界を知ったこと。そして、人間も同じように命を頂いていること。ヘビは残酷な事をするように見えるけれど、自分達も同じ事をしている。
あの時、自分の訴えを聞いて何も言わずウサギを助けてくれた飼育係さんの心遣いに、今気付いたこと。
という内容だった。

亀井さんは、
「あの時、女の子に自然の摂理を説いても、まだ分からないと思ったのでウサギを外に出した。大きくなってその意味が分かり、動物園での出来事を思い出して、命の尊さを知ってくれて嬉しい」

自分が生きるためではなく、無意味な殺傷をする動物はせいぜい人間くらい。
ライオンは野生で生きる試練に我が子を崖から落とすというが、駅のホームから突き落としたりはしない。

| Rail&Hand | - | 18:33 | - | - |
+ SELECTED ENTRIES
+ ARCHIVES
+ LINKS
+ PROFILE