Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
中国版新幹線
6月30日に開業した、上海〜北京を結ぶ中国高速鉄道。「中国版新幹線」
過去に日本、ドイツの技術提供を受けて開発されたもので、電車は日本の「東北新幹線E2系」、ドイツの「ICE3」にソックリ。
早速、百万城(バックマン)社から模型化されていた;

この新幹線、技術提供した両国でも、300km/h程度で安全を確保しているのというのに、最高速度380km/hで上海〜北京1,318kmを4時間50分で結ぶというもの。結局、安全性の問題から300km/hに落として見切り発車となったようだが。

これを中国が「独自に開発した」としている。
しかもアメリカで特許申請しようとしているから物議を醸している。

その新幹線がわずか11日目にして停止した。
原因は雷雨によるショートらしい。
技術者は「車両の品質と停止は関係ない。どんなに良い列車でも動力源がなくなれば走れない」と強調しているというが・・。

中国版新幹線で恐ろしいのは、突貫工事で建設された線路強度の不具合、地盤沈下、汚職による手抜き工事だという。


日本の新幹線は1964年の開業以来、無事故を貫いている。
新潟県中越地震では脱線したものの、乗客の無事は確保された。
東日本大震災では広域にわたる揺れにも関わらず、死傷者を出すことなく、新幹線は無事に一斉停止した。

従来の鉄道とはまったく別物の「新幹線というシステム」を世界で初めて考えた日本人の賢明さを称える声がある。
それは、日本の在来線の線路幅(狭軌)1,067mmでは高速運転に不向きという結論から、世界規格(標準軌)1,435mmで新たに新幹線用の線路を敷設する決断を行ったことに意義がある。
「純粋に」日本の技術を投与した台湾の新幹線も同様だ。

掘り下げて言えば、明治5年に日本で初めて走った鉄道はイギリスから輸入されたものだった。その時に採用された線路幅が1,067mm。いわゆる「植民地規格」で日本のような後進国はこれで十分という欧米の見解が推測できる。

もしも、標準軌1,435mmを採用、或いは改める工事が為されていたら、我が国の新幹線は出来なかったかもしれない。
「植民地規格」に複雑な気分になる。



中国版新幹線には、他にも解決できていない「安全上の問題」があるらしい。

・路線周辺に大量に非合法な建築物が存在する。
・線路敷地両側200メートル以内に、爆発性がある危険物の生産、取り扱い箇所がある。
・線路敷地1キロメートル以内に鉱山・採石場などがあり、爆破作業を行っている。
・線路をまたぐ橋などで、重量制限の表示がないものがある。過積載・速度超過・車線違反などで自動車や橋が線路上に落ちる危険がある。
・線路周辺で土砂の採掘や地下水のくみ上げを行っている場合がある。線路の基盤に損傷を与えたり、地盤沈下を発生させるなどで、安全性に対する脅威になっている。
・周辺で別の工事をしている業者と鉄道会社が連絡を取り合っていない。安全基準を満たさない工事もあり、高速鉄道線の安全の脅威になっている。
・高速鉄道の防護柵などが壊されたり、一部設備が盗まれる現象が発生している。
・高速鉄道の上にある橋や道路では、落下物防止の保護柵や保護網が設けられている。各地の道路管理部門が責任を持つはずの、管理や維持が行われていない。


これって、新幹線の工事をする以前の問題では・・・。


先月、Tさんが上海に出かけた際、「リニアモーターカーに乗ってきてください」というリクエストを事前に持ちかけたが、新幹線のことを思うと恐ろしい注文をしたことになる。

「あの揺れ方は日本ではNGだろう」

乗車した当事者が語っているように。


中国といえば緑色の客車列車のイメージが未だにある。
安全はスピードでもお金でも買えない。
今のうちに最高速度を130km/h程度に抑えたほうがいいかも・・。
まさか、運行管理に「タブレット」使ってないでしょうね。
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