「あれ。ラップないの?」
「ごめん。切らしちゃったの;」
仕事帰りに私が買ってくることになった。
姫路駅で下車し、駅前のドラッグストアに寄る。2個ほど買っておこう。
この細長いラップの箱、手ごたえはまるでHOゲージの車両みたいだ。
最近、横になったら気が付けば明け方で、夜中に趣味を・・と思っていても思うようにいかず鉄分不足。禁断症状が出ている。
乗換え時間があるので久々にT模型でも覗いてみようか。
T模型は老舗。昔は駅ビルと商店街にあったが、2001年頃よりフォーラスビルに入居。
ガラス棚のHOゲージを眺める。買えないので目の保養。
棚の下に目を向けると・・KATOのオハフ33(青)がある。
そういえば手持ちの旧客編成にオハフがなかった。しかもオハ35、オハフ33は稀少品でオークションでも人気。下手すりゃ新品のほうが安い。
しかも15%引だし買っとこう。客車1両ならいいだろう。懐かしい茶箱。
というわけで箱が計3個になった。帰宅後、ラップと一緒に台所に掛けっぱなしにしていたら・・
「何これ?」
私が中身です。
ここからが本題?
そういえば幼少の頃、このような青や茶色の旧型客車に乗った。
すでに旧客末期で、津山行1往復だけ残っており混色で編成美の整わない旧客は、新鋭の赤い50系客車の中では見劣りした。後者のほうが少年時代と重複する訳で付き合いは長い。
しかし、旧客の印象は大きい。模型の世界でもこういうものに興味が沸く。
1980年頃だったと思う。我が家にはクルマがなかったので、姫路市内へ出かけると15:30頃の津山行普通列車で帰ることが多かった。それが旧客編成で、6〜7両つながっていて確実に着席できるからこの列車だったのだろう。DE10の後ろに青や茶色の編成が連なる。10年ほど遡れば蒸気機関車・C58辺りが牽いていたのだろう。
青い客車のほうが高級感があったので、私はそちらを好んだ。今なら茶色を選ぶかもしれないが。スハ43なんて高級車は、北陸や東北でまだ一部の急行に使用されていた時代。姫新・播但のようなローカル線はほとんどがオハ35系列だったと思う。さすがに背もたれが板張りのオハ61には乗ったことがない。80年代ではさらに格下路線向きだったのかも。
この手の客車は手動ドアなので走行中も開閉できる。夏は開けっ放しで走っていた。
停車直前に飛び降りる兄ちゃんもいたが、今では考えられないこと。
この時代、汽車のドアは走行中に開けるものではないという常識があった。まあ、自動車と同じ考え方と思えばよい。
現在も保存運転のため、JRに数量の旧型客車が残されているが、走行中はドアロックがかかるように改造されているらしい。
たしかに現代人にはまさかドアが開くなんて分からないだろう・・。
蒸気機関車の保存は勿論大切だが、その後ろに従って戦前・戦後を運んだ「ハコ」も立派な産業遺産といえるだろう。