2006.11.05 Sunday
水品美和子コンサート
妻です。in Niigata。
主人は朝9時頃実家を出て、兵庫へ帰って行きました。最寄りの燕三条駅から新幹線で帰ればよいものの、わざわざ東三条駅から在来線で帰る所がマニアの理解できない点です。
午後からは大学時代の後輩Tさんと、親友水品美和子のコンサートへ。
秋晴れの下田は紅葉に染まり、街路樹の落ち葉が歩道いっぱいに絨毯を敷きつめています。農家の軒先には干し柿が下がり、野焼きの煙が農村の風景を霞めていました。この景色を眺めているだけで、心が深呼吸する一日。
そんな中、漢学の里、諸橋轍次記念館でコンサートは始まりました。
一部は古くから愛された日本の歌曲。「花の街」「霧と話した」…。日本語で歌われる懐かしいメロディに、高校時代ピアノを囲んで歌った部活風景を思い出します。ピアノの弾き手は部長だった美和ちゃん。練習ではなく、「歌が好きな子」たちが「好きな歌を歌った」放課後。10年の時を経て、鮮やかに蘇ります。一部の最後は「落葉松」。蘇るメロディに胸を打たれました。
そして第二部は彼女の専門オペラを中心に。「ロメオがご子息を殺したとしても」は「流石」の一言。共鳴する会場に観客が息をのみました。
かの名曲「アメイジング・グレイス」はアカペラで。「マイ・フェア・レディ‐」より「踊り明かそう」で、爽快に幕を閉じます。
興奮覚めやらぬまま、会場はアンコ‐ルの拍手。そして歌い手は再び舞台へ。
今回のコンサートを開くきっかけを話してくれました。それは、コ‐ラス部だった友人の突然の死…。「このままではいけない、何か始めなければ。」と思い立ったのが、このコンサートだったそうです。
そして最後に歌った曲、「涙そうそう」。
「♪古いアルバムめくり…」歌詞はそのまま、亡くなった友人に向けられた思いでした。それはまた、私にとっても同じです。歌詞が胸に突き刺さり、涙で顔を上げることが出来ませんでした。
割れんばかりの拍手の中、彼女のお父さんが深々と頭を下げる姿が印象的でした。
帰り道、燃えるような夕日が農村を照らし、私とTさんは胸をいっぱいにして帰路についたのでした。