2007.01.08 Monday
イベント見学(後編)
日本橋に到着。秋葉原同様、電気街でホビー関連も充実している。
まずは、「ニノミヤHOBIX」へ。家電量販店のニノミヤは破綻したが、ホビー部門だけは細々と営業している。
昨年の話だが、友人がここでクレジットカードを使用した際、専用端末はなく、何と表現すればいいのか・・「カード本体を複写して封書でカード会社に郵送する原始的な手法」を取っていた。このあたりに一度倒れた者の脆弱さを感じる。
中古販売も行っており、HOを鑑賞する。
Tさん曰く、日本橋のHO中古はすでに枯渇しているとのこと。
次は超子供園こと「ジョーシンスーパーキッズランド本店」へ。
言わずと知れた、昨秋開店した巨大量販店。11月、伊丹から飛行機に乗る前に覗いて以来だ。5F鉄道模型へ直行し、あれこれ鑑賞して楽しむ。見ているだけでも満腹になる。tさんは真鍮のパーツ類(蒸気機関車の部品)を選んでいた。若い工作派モデラーは頼もしくなる。
1Fにドールハウスコーナーがあった。奥さんのご機嫌を考慮して、お土産に食器棚をひとつ購入する。
「模型よりも安いな」
「そりゃ上のフロアから降りてきたら無理もないでしょ」
従前から隣に存在する超子供園の店舗は、鉄道模型取扱いを廃止し、こちらの本店に集約していた。
今度は地下鉄で梅田に戻り、老舗「マッハ模型」へ。
関西一有名と言われる老舗専門店。現在の量販店勢力に押されつつも、豊富な部品の在庫と中古委託扱いを誇る、モデラーのための専門店。
みんな掘り出し物を楽しみにしている。御三方はオークション等も参加されている。
「皆で遠くから来てパチモンさがしてるな〜」Fさんが笑う。
何か面白いものはないか。それほど期待していなかった私だが、目に飛び込んだのは「永大」のNレール。永大(エーダイ)。ご存知の方も多いと思うが、今から約30年近く前、ブームに乗って誕生したNゲージメーカーで、あっという間に倒産した。その後、パテントや金型一式を「学研」が引き継いで販売したが、学研も間もなく撤退した。その当時、永大(学研)製品は、私の実家の近所を走るキハ40系、キハ55系ディーゼル車などを製品化していた唯一のメーカーで、喉から手が出るほど欲しかったが、いかんせん小学生には手が届かなかった。そんな思い出が蘇る。
学研吸収後もそのまま販売された、TOMIXそっくりのあの線路。「エーダイ」の箱で見るのは初めてだ。2種類しかないが大量に陳列してあり、10本入で200円(!)とある。1本あたり20円だ。(当時の価格で1本140円とある)懐かしさと安さに釣られて、直線・曲線を買い込んだ。洋白メッキは光っており、20数年間倉庫で眠っていたとは思えない。
そういえば簡単な加工でTOMIXと連結した例が、20数年前に地元の「つばめや」に展示してあったのを思い出した。また宿題ができてしまった;
tさんはマッハの特製塗料などを購入。マッハの塗料は、昔から工作派に厚い信頼がある。HOに造詣が深いお父様と共に、工作を楽しんでいる何とも羨ましい親子関係。
Tさん、Fさんは特急「かもめ」のアップリケを発見。
「ズボンの尻につけなよ〜D52補機やで」
皆、楽しげな顔で店を出、近くの寿司屋で遅い昼食(兼新年会)となった。
「天ぷらキューロクも、各種作り分けるみたいやな」
「いやぁ、今度出る音付きDD51は迷うな〜ナメクジのときは音聴いてイチコロやったし」
「そういえば播但客レ最後の時は、よく見に行ったな〜」
「播但で思い出した。珊瑚のDD54さっぱりアカンわ。プラで出んかな」
「あ、珊瑚のターンテーブル組んでます。上路式です」
呪文のような会話が飛び交う楽しいひととき、寿司も巨大ネタで美味かった。趣味人たちの笑顔。
人生あな楽し これすなはち 鉄道模型あればこそ
Tさん、Fさん、tさん、ありがとうございました。
御覧の方の人生、何の役にも立ちませんが、上記会話中の単語の意味を注記しておきます。
※天ぷら:模型メーカー「天賞堂」プラスチック製品の略。
※キューロク:9600型蒸気機関車の愛称。炭鉱地区での活躍が有名。
※ナメクジ:D51型蒸気機関車の初期型は、ボイラー上部が細長いカバーで覆われているので「ナメクジ」と称される。
※DD51:国鉄・JRを代表する大型ディーゼル機関車。全国で活躍中。
※播但:JR播但線(姫路〜和田山)播磨と但馬地方を結ぶ意味を持つ。
※客レ:機関車が牽引する客車列車のこと。播但線では多く走っていた。
※珊瑚:模型メーカー珊瑚模型店。昔から真鍮高級製品を手がける。
※DD54:国鉄がドイツ技術を投入して開発したディーゼル機関車。故障が多発し、10年ほどで廃車になり、国会でも無駄遣いを取りあげられた。その希少性から鉄道マニアに絶大な人気を誇る。
※ターンテーブル:蒸気機関車の向きを変える転車台。
※上路式:ターンテーブルの線路を支える橋げたの上に線路が載っているタイプをいう。このタイプは機関車の車輪がよく見える。その逆は下路式。
最後に、永大の線路です。
長々とお付き合いありがとうございました。(完)
まずは、「ニノミヤHOBIX」へ。家電量販店のニノミヤは破綻したが、ホビー部門だけは細々と営業している。
昨年の話だが、友人がここでクレジットカードを使用した際、専用端末はなく、何と表現すればいいのか・・「カード本体を複写して封書でカード会社に郵送する原始的な手法」を取っていた。このあたりに一度倒れた者の脆弱さを感じる。
中古販売も行っており、HOを鑑賞する。
Tさん曰く、日本橋のHO中古はすでに枯渇しているとのこと。
次は超子供園こと「ジョーシンスーパーキッズランド本店」へ。
言わずと知れた、昨秋開店した巨大量販店。11月、伊丹から飛行機に乗る前に覗いて以来だ。5F鉄道模型へ直行し、あれこれ鑑賞して楽しむ。見ているだけでも満腹になる。tさんは真鍮のパーツ類(蒸気機関車の部品)を選んでいた。若い工作派モデラーは頼もしくなる。
1Fにドールハウスコーナーがあった。奥さんのご機嫌を考慮して、お土産に食器棚をひとつ購入する。
「模型よりも安いな」
「そりゃ上のフロアから降りてきたら無理もないでしょ」
従前から隣に存在する超子供園の店舗は、鉄道模型取扱いを廃止し、こちらの本店に集約していた。
今度は地下鉄で梅田に戻り、老舗「マッハ模型」へ。
関西一有名と言われる老舗専門店。現在の量販店勢力に押されつつも、豊富な部品の在庫と中古委託扱いを誇る、モデラーのための専門店。
みんな掘り出し物を楽しみにしている。御三方はオークション等も参加されている。
「皆で遠くから来てパチモンさがしてるな〜」Fさんが笑う。
何か面白いものはないか。それほど期待していなかった私だが、目に飛び込んだのは「永大」のNレール。永大(エーダイ)。ご存知の方も多いと思うが、今から約30年近く前、ブームに乗って誕生したNゲージメーカーで、あっという間に倒産した。その後、パテントや金型一式を「学研」が引き継いで販売したが、学研も間もなく撤退した。その当時、永大(学研)製品は、私の実家の近所を走るキハ40系、キハ55系ディーゼル車などを製品化していた唯一のメーカーで、喉から手が出るほど欲しかったが、いかんせん小学生には手が届かなかった。そんな思い出が蘇る。
学研吸収後もそのまま販売された、TOMIXそっくりのあの線路。「エーダイ」の箱で見るのは初めてだ。2種類しかないが大量に陳列してあり、10本入で200円(!)とある。1本あたり20円だ。(当時の価格で1本140円とある)懐かしさと安さに釣られて、直線・曲線を買い込んだ。洋白メッキは光っており、20数年間倉庫で眠っていたとは思えない。
そういえば簡単な加工でTOMIXと連結した例が、20数年前に地元の「つばめや」に展示してあったのを思い出した。また宿題ができてしまった;
tさんはマッハの特製塗料などを購入。マッハの塗料は、昔から工作派に厚い信頼がある。HOに造詣が深いお父様と共に、工作を楽しんでいる何とも羨ましい親子関係。
Tさん、Fさんは特急「かもめ」のアップリケを発見。
「ズボンの尻につけなよ〜D52補機やで」
皆、楽しげな顔で店を出、近くの寿司屋で遅い昼食(兼新年会)となった。
「天ぷらキューロクも、各種作り分けるみたいやな」
「いやぁ、今度出る音付きDD51は迷うな〜ナメクジのときは音聴いてイチコロやったし」
「そういえば播但客レ最後の時は、よく見に行ったな〜」
「播但で思い出した。珊瑚のDD54さっぱりアカンわ。プラで出んかな」
「あ、珊瑚のターンテーブル組んでます。上路式です」
呪文のような会話が飛び交う楽しいひととき、寿司も巨大ネタで美味かった。趣味人たちの笑顔。
人生あな楽し これすなはち 鉄道模型あればこそ
Tさん、Fさん、tさん、ありがとうございました。
御覧の方の人生、何の役にも立ちませんが、上記会話中の単語の意味を注記しておきます。
※天ぷら:模型メーカー「天賞堂」プラスチック製品の略。
※キューロク:9600型蒸気機関車の愛称。炭鉱地区での活躍が有名。
※ナメクジ:D51型蒸気機関車の初期型は、ボイラー上部が細長いカバーで覆われているので「ナメクジ」と称される。
※DD51:国鉄・JRを代表する大型ディーゼル機関車。全国で活躍中。
※播但:JR播但線(姫路〜和田山)播磨と但馬地方を結ぶ意味を持つ。
※客レ:機関車が牽引する客車列車のこと。播但線では多く走っていた。
※珊瑚:模型メーカー珊瑚模型店。昔から真鍮高級製品を手がける。
※DD54:国鉄がドイツ技術を投入して開発したディーゼル機関車。故障が多発し、10年ほどで廃車になり、国会でも無駄遣いを取りあげられた。その希少性から鉄道マニアに絶大な人気を誇る。
※ターンテーブル:蒸気機関車の向きを変える転車台。
※上路式:ターンテーブルの線路を支える橋げたの上に線路が載っているタイプをいう。このタイプは機関車の車輪がよく見える。その逆は下路式。
最後に、永大の線路です。
長々とお付き合いありがとうございました。(完)