2007.03.22 Thursday
10周年
北越急行は今日で開通10周年になる。
新潟県の六日町から十日町、松代(まつだい)を経て、上越の犀潟まで斜めに結ぶバイパス線で、越後湯沢で新幹線から接続し、金沢へ行く特急列車「はくたか」が通過する高速鉄道。踏切はなく、新幹線のような高架橋と長いトンネルが続く。ゲームの「電車でGO!」にも採用されたので有名かもしれない。(画像:開通日の十日町駅前)
10年前の今日、沿線で合宿があった。当時の写真や映像に、若かりし日の自分や友人がいる。山間部なのでかなりの残雪だった。当日は1〜2両の普通電車が超満員だった。途中駅では地元集落によって、樽酒やら名産の蕎麦、オニギリが振る舞われ、お祭り騒ぎだったのを思い出す。
(画像:宿で当時の私に盛られたご飯。画像が巨大になり臨場感あふれます;)
開通1ヶ月前に、十日町駅で「はくたか」特急電車の展示会があるというので見に行った。山間の過疎地にまるで新幹線のような立派な駅が完成している。
JA帽子をかぶった地元の父ちゃん達も見学。
「新幹線が出来たんらて」
「東京行きらすけ、便利になるこって」
ちょっと、お父さん!これは新幹線じゃないよ…。大変印象的な出来事だった。
さておき、北越急行といえば何故か私は「くじら12号」という曲(JUDY-AND-MARY)思い出す。この時流行っていたからか、沿線で耳にしたからか定かではない。ただ、走っているのは鯨ではなく、ヤツメウナギみたいな特急電車だった。
(十日町駅を通過する特急「はくたか」)
1997年はJR発足から10年目、日本の鉄道が大きく塗りかえられた年だった。
鉄道マニアにしか関係ない話だが、この北越急行開通と同時に、秋田新幹線、大阪では都心を貫く東西線が開通。秋には長野新幹線が開通。東海道新幹線では世界最速、時速300km/hで走る「500系のぞみ」が颯爽とデビュー。
一方で、長野新幹線に後を譲る形で、横川〜軽井沢の碓井峠が廃止され、横川で停車中に釜飯を買う風景も見納めとなった。また、駅でタブレットを収授しながら走る、国鉄時代そのものの急行「砂丘」も97年に姿を消した。九州や山陰では機関車が客車を牽引する、昔ながらの普通列車も僅ながらまだ走っていた。元祖新幹線0系も元気に東京駅に乗り入れており、500系との並びは世代交代の瞬間を予感させた。
あれから10年。JRも20年目を迎えようとしている。その時生まれた子供が成人する歳月だ。
私が生まれた時は蒸気機関車が姿を消そうとしていた頃になる。その頃の様子を、青年マニアの目で見てみたいものだと思ったりもする。
北越急行沿線の山河はおそらく、10年前と変わっていないことだろう。それだけ田舎ということだが。久しぶりに行ってみたい。小嶋屋の蕎麦も食べたいし。