Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
半世紀後の現実
1958年10月1日。日本の鉄道に冷暖房完備、食堂車、個室車等を備えた夜行寝台列車が誕生した。統一された車種による固定編成。従来の古ぼけたニス塗りの茶色い客車とは異なる、近代的な青い車体にクリーム帯の入った車両。列車名は東京〜博多を結ぶ「あさかぜ」。当時は「動くホテル」と称され、以後「ブルートレイン」という愛称で定着することになった。初代20系ブルートレインが誕生してから半世紀が過ぎた。(20系は1997年廃車)

先日オークションで取引のあった方から「50年」という返事があり、改めて実感した。

その「ブルートレイン」。特に昭和50年代は少年達の心を惹きつけた。下敷きから筆入れまで、「あさかぜ」「さくら」「はやぶさ」「富士」といった列車名の入った電気機関車の写真が付いていた。キャラメルのオマケも然り。
刑事ドラマの「鉄道公安官」で石立鉄男が乗り込むのもまたブルートレインだった。エンディングは“サーカス”が唄っていた。(古いな;)
バブル期、青函トンネル開通に合わせ北海道へ向かうブルートレイン「北斗星」「トワイライトエクスプレス」等が登場したものの、夜行列車自体が衰退してしまった。機関車が牽引する列車なので速度が遅く人件費がかかる、新幹線網の発達・高速化、航空料金の低廉化、高速バスの発達など理由は様々。確かに、寝台車で一泊する料金で安いビジネスホテルに宿泊できる。
カーテン1枚の寝台車の旅は旅情こそあるが、時代遅れの感は否めない。
相席になった人と「袖触れ合うも他生の縁」で会話が弾んだり。
そんな旅を経験したが、過去のものとなった。
ブルートレインという言葉自体、すでに死後に近いかも。R30指定か。

画像:大雨による遅れで通勤途中に遭遇した大分・熊本発東京行「富士・はやぶさ」最後の九州方面のブルートレイン。(8月29日)

私とほぼ同い年の14系寝台車。長旅を続けてきた車体は凸凹だらけ。昔はピカピカに輝いていたのに。
同じく紅顔無垢な少年も厚顔無恥なオッサンになってしまった。

モデルの世界でその想いに浸ってみる。


半世紀を経た今日、九州へ向かう元祖ブルートレインは静かに終焉を迎えようとしている。
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