2010.03.17 Wednesday
やこうれっしゃ
3月12日で運転を終了した、上野〜金沢を結ぶ夜行急行「能登」。ニュースで報じられたように上野発の最終列車はファンに囲まれて大混乱だった。
ところで、1980年頃の「能登」号を描いた絵本がある。
「やこうれっしゃ」西村繁男 作・画(こどものとも・1980年刊・現在も傑作集として入手可)
西村作品の代表的なものは「おおずもうがやってきた」「おふろやさん」等
作品中の「能登」号は、今年の廃止時に使用されていた電車編成とは全く異なり、1980年頃の設定で電気機関車+旧型客車編成となっている。それもそのはず、発行された時期そのものなので。
構図は客車を真横から見た断面図として、夜行列車で思い思いに夜を明かす乗客達の姿を見事に描写しており文章はない。
登場人物の行動も時を経て推移しており、たとえば売店で買い物していた人が乗車後車内でそれを開いたり。それにしても30年前の旅は乳飲み子連れて夜行列車の座席に座っていたんだな・・。
「じゃあ帰省、みんなで急行“きたぐに”寝台で帰る?」
「ひとりで乗ってよ;」
挿絵は上野駅の最後部からスタートして、巻末で先頭車両が終着・金沢駅に到着している。
厳密に言えば、能登号は長岡駅で進行方向が逆向きになり、当時の機関車もここで交換していたので不自然さは否めないが・・・。
それでも、夜中にトンネル(清水トンネルと思われる)を抜けると雪国・吹雪になっていたり。寝台車、座席車のほかに、荷物車、グリーン車が連結されているので考証は正しい。非常にマニアックだが。
鉄の方にはピンとこない?それなら「機関車EF58上越仕様110番、オハネ12、スロ62、オロネ10、最後部・上野側にスニ41を連結した能登編成が描かれている」といえば頷いて頂けるだろう。
少なからず私に影響を与えた絵本。幼少の頃に読んだが、近年になって復刻版を入手した。大人が見ても面白いので親子で十分楽しめる。
他にも鉄道がリアルに描写された絵本を例にあげると・・
屬靴紊辰僂弔靴鵑海Α廖_茵山本忠敬(「しょうぼうじどうしゃじぷた」の作者)
1982年頃の作品。「みよちゃん」と「お母さん」親子が、おじいちゃんのところへ鉄道で旅をする。
485系特急「はつかり」・キハ58系急行・キハ52普通列車が登場する。イラストの雰囲気と状況からして、東北本線、盛岡から山田線、茂市から岩泉線がモチーフと推測できる。
◆屬海鵑箸△」画・林明子(「はじめてのおつかい」の作者)
1989年頃の作品。
主人公の「あき」が生きた狐の縫いぐるみ「こん」と一緒に電車でおばあちゃんのところへ旅をする。
行先は“さきゅうまち”という表現から、鳥取市と推測できる。
表紙のイラストは明らかに大阪駅・福知山線ホーム。
二人が乗車した列車は架空のものだが、特急「北近畿」「はまかぜ」あたりがモチーフとなっているようだ。
林明子の手にかかると鉄も柔らかくなる。あの優しいタッチで小さな女の子のひとり旅?が温かく描写されている。
このように絵本も立派な鉄道を扱った文学作品のジャンルになり、枚挙に暇がない。
学芸員さん、いかがでしょう。
そんなことよりも企画展の展示用ジオラマをサッサと作らにゃなりませんね。ハイ;
ところで、1980年頃の「能登」号を描いた絵本がある。
「やこうれっしゃ」西村繁男 作・画(こどものとも・1980年刊・現在も傑作集として入手可)
西村作品の代表的なものは「おおずもうがやってきた」「おふろやさん」等
作品中の「能登」号は、今年の廃止時に使用されていた電車編成とは全く異なり、1980年頃の設定で電気機関車+旧型客車編成となっている。それもそのはず、発行された時期そのものなので。
構図は客車を真横から見た断面図として、夜行列車で思い思いに夜を明かす乗客達の姿を見事に描写しており文章はない。
登場人物の行動も時を経て推移しており、たとえば売店で買い物していた人が乗車後車内でそれを開いたり。それにしても30年前の旅は乳飲み子連れて夜行列車の座席に座っていたんだな・・。
「じゃあ帰省、みんなで急行“きたぐに”寝台で帰る?」
「ひとりで乗ってよ;」
挿絵は上野駅の最後部からスタートして、巻末で先頭車両が終着・金沢駅に到着している。
厳密に言えば、能登号は長岡駅で進行方向が逆向きになり、当時の機関車もここで交換していたので不自然さは否めないが・・・。
それでも、夜中にトンネル(清水トンネルと思われる)を抜けると雪国・吹雪になっていたり。寝台車、座席車のほかに、荷物車、グリーン車が連結されているので考証は正しい。非常にマニアックだが。
鉄の方にはピンとこない?それなら「機関車EF58上越仕様110番、オハネ12、スロ62、オロネ10、最後部・上野側にスニ41を連結した能登編成が描かれている」といえば頷いて頂けるだろう。
少なからず私に影響を与えた絵本。幼少の頃に読んだが、近年になって復刻版を入手した。大人が見ても面白いので親子で十分楽しめる。
他にも鉄道がリアルに描写された絵本を例にあげると・・
屬靴紊辰僂弔靴鵑海Α廖_茵山本忠敬(「しょうぼうじどうしゃじぷた」の作者)
1982年頃の作品。「みよちゃん」と「お母さん」親子が、おじいちゃんのところへ鉄道で旅をする。
485系特急「はつかり」・キハ58系急行・キハ52普通列車が登場する。イラストの雰囲気と状況からして、東北本線、盛岡から山田線、茂市から岩泉線がモチーフと推測できる。
◆屬海鵑箸△」画・林明子(「はじめてのおつかい」の作者)
1989年頃の作品。
主人公の「あき」が生きた狐の縫いぐるみ「こん」と一緒に電車でおばあちゃんのところへ旅をする。
行先は“さきゅうまち”という表現から、鳥取市と推測できる。
表紙のイラストは明らかに大阪駅・福知山線ホーム。
二人が乗車した列車は架空のものだが、特急「北近畿」「はまかぜ」あたりがモチーフとなっているようだ。
林明子の手にかかると鉄も柔らかくなる。あの優しいタッチで小さな女の子のひとり旅?が温かく描写されている。
このように絵本も立派な鉄道を扱った文学作品のジャンルになり、枚挙に暇がない。
学芸員さん、いかがでしょう。
そんなことよりも企画展の展示用ジオラマをサッサと作らにゃなりませんね。ハイ;