2011.01.13 Thursday
エコとエゴ
久しぶりの夫です。
今夜はペットボトルのキャップのお話でございます。
先週、勤務先のミーティングで
「△△部門の今年のテーマはエコです。ペットボトルのキャップを回収してワクチンを寄付する運動など、お金をかけずに協力できないでしょうか。ボランティアとして貢献でき、しかも地域への宣伝にもなりますし」
「宣伝になるならやってみたら?調べてみてよ」
と言われ、自分の席に戻って思案した。
この「エコキャップ運動」以前からどうも腑に落ちないものがあった。
で、調べてみると・・
ワクチン1人分は20円。このために800個(2kg)のキャップが必要だという。回収を行っているNPOがいくつか存在するようだ。
例えば、
「キャップ回収には10個入3,150円の専用ボックスを購入して、1箱あたり420円の送料で発送する」
とある。ボックスは315円/個。送料は420円/回。合計7,350円がキャップ寄付に要するコストになっている。
これならボックス代と送料をユニセフにでも直接送金するほうがマシだ。しかもCO2を排出しての運搬。
なんと効率の悪い方法だろう・・。
たとえば大手スーパーの○オンなども「エコキャップ運動」を行っている。
当然、運搬コストを考えると割りに合わないのか「大量持込はご遠慮ください」とある。
回収の目的はひとつ。ワクチンが何円分ということよりも、企業のイメージアップにつながるということ。お客さんがキャップを持って買い物に来てくれる。「イ○ンに行ったら回収ボックスあるよ」なんて会話があるように。持参する側はタダでリサイクルに協力している気分になる。日本人の「モッタイナイ」心理を巧みに利用している。
エコキャップ運動にかける運搬コストは、企業・法人の広告宣伝費と言ってもよい。
最初から寄付を目的とするならば、確実な団体に現金を寄付するほうが効率がよいのだから。
学校などでもエコキャップを実施しているようだが、「みんなで協力する善意の取り組み」が念頭にあると思えばそれでよい。送料はPTA会費からということになる。まあ、会費は学校行事の一環として使用されているので文句を言う人はいないだろうが・・。(私はモメゴトになりたくないだけ)
取引先の産業廃棄物業者の担当者に聞いてみた。
御社ではキャップの回収を行っているか、コストをかけて回収の考え方について。
この会社はキャップ回収を行っていないという回答。考え方は先ほど私が述べた内容と全く同じだった。
さらに調査すると、業者の中には通常の廃棄物回収業務に付随してボランティア的に行うところもあるらしい。もちろん自社のイメージアップのため。
そのような業者に「キャップだけ回収に来てよ」なんて飛び込みで図々しい話ができるはずもなく、ヘタすりゃ「ウチと契約してよ」なんてことになりかねない;
わかりやすく言えば、
“当社では、わざわざコストをかけて皆さんからの善意のキャップを回収し、少量のワクチンを寄付して世の中の役に立っているんですよ。ホントはキャップなんか回収せずに回収費用部分を寄付すればいいんですけど、それじゃ目立ちませんからね〜”
ということになる。「エコ」ならぬ「エゴイズム」だ。
エコキャップ運動をするなとは言わない。いちおう寄付が行われているし。
しかし「リサイクルと善意と宣伝の一石三鳥」で、タダで世の中の役に立つから是非我が社でも!という考え方はチョット安易すぎるかもしれない。
このような取り組みをPRしたいという理由ならまだしも。
本当に善意を示したいなら、菅直人・・いや、伊達直人になってランドセルを贈ったほうがよっぽどすばらしい。
とにかく効率の悪い仕事は御免だ。
「ゴチャゴチャ言わんで、こんなんありますって資料だけ出したらええだけやから・・」
先輩にたしなめられた。
さて、来月どうやって報告しようか。
今夜はペットボトルのキャップのお話でございます。
先週、勤務先のミーティングで
「△△部門の今年のテーマはエコです。ペットボトルのキャップを回収してワクチンを寄付する運動など、お金をかけずに協力できないでしょうか。ボランティアとして貢献でき、しかも地域への宣伝にもなりますし」
「宣伝になるならやってみたら?調べてみてよ」
と言われ、自分の席に戻って思案した。
この「エコキャップ運動」以前からどうも腑に落ちないものがあった。
で、調べてみると・・
ワクチン1人分は20円。このために800個(2kg)のキャップが必要だという。回収を行っているNPOがいくつか存在するようだ。
例えば、
「キャップ回収には10個入3,150円の専用ボックスを購入して、1箱あたり420円の送料で発送する」
とある。ボックスは315円/個。送料は420円/回。合計7,350円がキャップ寄付に要するコストになっている。
これならボックス代と送料をユニセフにでも直接送金するほうがマシだ。しかもCO2を排出しての運搬。
なんと効率の悪い方法だろう・・。
たとえば大手スーパーの○オンなども「エコキャップ運動」を行っている。
当然、運搬コストを考えると割りに合わないのか「大量持込はご遠慮ください」とある。
回収の目的はひとつ。ワクチンが何円分ということよりも、企業のイメージアップにつながるということ。お客さんがキャップを持って買い物に来てくれる。「イ○ンに行ったら回収ボックスあるよ」なんて会話があるように。持参する側はタダでリサイクルに協力している気分になる。日本人の「モッタイナイ」心理を巧みに利用している。
エコキャップ運動にかける運搬コストは、企業・法人の広告宣伝費と言ってもよい。
最初から寄付を目的とするならば、確実な団体に現金を寄付するほうが効率がよいのだから。
学校などでもエコキャップを実施しているようだが、「みんなで協力する善意の取り組み」が念頭にあると思えばそれでよい。送料はPTA会費からということになる。まあ、会費は学校行事の一環として使用されているので文句を言う人はいないだろうが・・。(私はモメゴトになりたくないだけ)
取引先の産業廃棄物業者の担当者に聞いてみた。
御社ではキャップの回収を行っているか、コストをかけて回収の考え方について。
この会社はキャップ回収を行っていないという回答。考え方は先ほど私が述べた内容と全く同じだった。
さらに調査すると、業者の中には通常の廃棄物回収業務に付随してボランティア的に行うところもあるらしい。もちろん自社のイメージアップのため。
そのような業者に「キャップだけ回収に来てよ」なんて飛び込みで図々しい話ができるはずもなく、ヘタすりゃ「ウチと契約してよ」なんてことになりかねない;
わかりやすく言えば、
“当社では、わざわざコストをかけて皆さんからの善意のキャップを回収し、少量のワクチンを寄付して世の中の役に立っているんですよ。ホントはキャップなんか回収せずに回収費用部分を寄付すればいいんですけど、それじゃ目立ちませんからね〜”
ということになる。「エコ」ならぬ「エゴイズム」だ。
エコキャップ運動をするなとは言わない。いちおう寄付が行われているし。
しかし「リサイクルと善意と宣伝の一石三鳥」で、タダで世の中の役に立つから是非我が社でも!という考え方はチョット安易すぎるかもしれない。
このような取り組みをPRしたいという理由ならまだしも。
本当に善意を示したいなら、菅直人・・いや、伊達直人になってランドセルを贈ったほうがよっぽどすばらしい。
とにかく効率の悪い仕事は御免だ。
「ゴチャゴチャ言わんで、こんなんありますって資料だけ出したらええだけやから・・」
先輩にたしなめられた。
さて、来月どうやって報告しようか。