Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
田子倉駅廃止へ
JR只見線・田子倉駅(福島県只見町)が3月15日で廃止されることが判明した。

田子倉駅は福島・新潟県境に位置する「秘境駅」
県境の六十里越トンネル福島県側坑口手前に位置する。列車は1日3本、しかも夏季のみ停車。辺りはダム湖と国道252号以外、本当に何もなく、国道が通行止めとなる冬季は雪に閉ざされて完全な陸の孤島となる。

そんな場所ゆえに2001年以降、夏季営業の臨時駅になっていたが、このまま再開されることなく廃駅となる。1日あたりの平均利用者数は1名に満たない状況だったという。

初めて訪問したのは今から20年前、1993年6月。
過去の記事に田子倉駅訪問の思い出を載せております。
http://railandhouse.tblog.jp/?eid=183568

通年営業時代、真冬に先輩や友人、10名くらいで田子倉駅にて下車、雪中で「豚汁」を作った記憶も。青春18きっぷ片手に、わざわざ鍋とコンロ、具材、一升瓶を抱えて列車に乗って出かけた。
大挙して下車する我々に只見線の車掌が驚いていた。驚異的な利用者数だったことになる。

最後に訪問したのは2008年5月。友人のクルマによるものだったが。
http://railandhouse.tblog.jp/?eid=183035

新潟在住時代、田子倉駅に10回は訪問している。鉄道利用は3回くらいですけど・・


ということで、私はこの辺りに住む人間の中では田子倉駅に最も多く訪れたと言っても過言ではない。(そんなもん何の自慢にもならないが;)



その只見線は依然として2011年7月の新潟・福島豪雨による不通区間が残る。元々1日4往復しか走らない閑散区間ゆえに復旧はまだ手つかずで、道のりは険しそうだ。

この地域の道路事情と雪に閉ざされる地理を考慮すると只見線は生命線だが、多くの鉄橋が流出した普通区間はJRと行政の動きを待つ状態。
厳しい冬に耐えて暮らす東北地方の人々は、どこか遠慮がちなのかもしれない。
只見線沿線の山間部では豪雨により、甚大な被害が出た。沿線の人々は辛い思いをしている。しかし「同じ福島でも沿岸にはもっと辛い思いをしている人々がいる」と思い、我慢し続けているのかもしれない。
地震と同じく忘れてはならない現実。


黒字企業のJR東日本は復興予算を受け取ることができない。
これが被災地の鉄道復旧への足かせになっているような気がする。
黒字企業に税金を投入できないという理屈は分かる。

しかし、その土地に住む方々は、JRであろうと三陸鉄道であろうと同じ鉄道だ。しかも相互乗り入れしていたというのに。

黒字企業のJR東日本自身も被災した。
それでも燃料不足を救うべく、JR貨物と協力して遠路迂回してガソリンを運んだし、新幹線も全力で復旧させた。ボランティアに割引切符を発行した。電車の本数を減らして節電した。

国鉄だったら当然のことを社会責任として民間企業がやったのに。
国家は、おんぶに抱っこなのでしょうか。
国鉄に税金を投入して発足した会社なので憚るところもあるんですが…

只見線の全線復旧を待たずに時刻表から消える田子倉駅の話題に思う。
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