Zakkan (雑感)

趣味の雑感。
重文
近所に江戸時代からの旧家がある。いわゆる大庄屋(豪農)で、私の曾祖母は大正〜昭和初期、女中としてよく出入りして家主の信頼が厚かった、と今も祖母が言う。
とにかく森のような敷地で、城郭のように塀に囲まれている邸宅。子供の頃、夜は裸電球1つだけの街灯で不気味に思ったりもした。
城門の絵葉書を見た娘が、

「ここお散歩で歩いたネ」

と見間違うくらい。
栄華を誇ったそのお宅も平成の世に入り、ひっそりと眠れる獅子のように過ごしているようだ。
税金関係の負担は相当大きいようで、家人も年を重ね、建物の老朽化が深刻となり、修繕には億単位の費用がかかるという。とうとう維持が困難になってきたらしい。
そんなこんなで重要文化財指定の申請を行うことになった。
もっと早く指定されてもおかしくなかったと思うが、保守的な家柄と地域の関心の薄さから今日になったのかも。
大きな楠とともに、街のシンボル的存在。ぜひ整備して残したいもの。

その署名用紙が届いた。

「ご恩のある家やから全部書いてあげたい」

と祖母は言う。

というわけで豪農の郷・新潟の皆様にもお願いすることになります。(業務連絡)


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