2011.09.15 Thursday
何かの縁
何かの縁かもしれない。
昼間は銀行で、帰り道は駅の売店で、S君と偶然会った。
彼は、先月より当勤務先の経営母体に入職した。
年齢は私と大差ない。元は某IT代理店の営業だった。当勤務先、経営母体の部長に気に入られ採用となった。
特別な待遇もなくウチのグループに来るなんて、以前の会社がよっぽど嫌だったというが?理由は定かではないが、彼は私たちの仲間となった。
彼は4年ほど前から営業で出入りしていたので人物像は知っている。ずいぶん上から目線で話す営業で、怪しげな男だと思っていた。
ス○オ君に似ている彼を煙たがる職員は多かった。
帰り道が同じ方向なので電車内で話す。
相変わらずの口調だが、実は昨日、グループウェアの件で、私の先輩VS経営母体の部長+S君 ひと悶着あったのだ。
「僕は改善点を見つけようと思い、今日は受付で仕事してました。ここは改めたほうがいいと思ったら遠慮なくスタッフに言いますよ。僕のことを入社1ヶ月の奴が生意気だという人もいますが、意見してくれて助かるという人もいます。ここに来て充実しています。ウチの職場は、みんな間違ったと思うことは手を上げて言いますね。そちらはどうですか?昨日、話をしていると上の人の顔色だけ伺って物を言っているだけで、何も考えていないようにしか見えませんでしたよ。そんなのは上の人を“お山の大将”にするだけなんじゃないですかね?」
「身内を庇う訳ではありませんが、私たちが育った環境なんですよ。そう簡単には抜けないでしょう。今でも強く意見することはありませんし。犬が忠実にフリスビーを取りに行く教育だったんですよ。ここに出入りされていたから分かるでしょ」
「フリスビーをボールに代えるという発想はなかったんですかね」
「“フリスビーを取りに行かせていただきありがとうございました”ですね。この状態で問題が生じなかったことを言い換えれば“経営が安定している”ということかな?一般企業なら没落してますよ、きっと」
「たしかに・・僕は職員が効率よく働きやすい環境を作り、しいてはお客さんのサービスにつなげることが自分の仕事だと思っています。現場で1日過ごしてみたらどうですか?よく分かりますよ」
(彼の指摘は一理あるが、ここでムッとする人もいるんだろう・・)
「あれこれ理由を付けてすぐに否定的なこと言う人は、文章で封じ込めてやってくださいよ。文学部出なんでしょ?」
(私は文学部出身ではないのだが;)
この男。口調はともかく、考え方は何歩も先を歩こうとしている。入社間もないモチベーションの高さと上司のバックアップもあるだろうが、単純に職場を変えようと、憚ることなく意見する男。
この考え方、商工会議所のようなところでは歓迎されるかも?どちらかといえば、経営者やコンサル向きだ。
何かと彼を悪く言う人はいる。安定や線引きを好む職場ゆえに、従来のやり方に固執するあまり、水を差されたような気分になるのだろう。
上司の意見や指示は避けられなくても、彼の持つ技能を取り込んで、スピーディーに自分の仕事をすすめることが今のタイミングではないかと思った。
こちらも能率が上がるし、S君という人材が生きるときだ。
何が問題かと言うと、彼が所属する組織が脆弱で、コミュニケーションすら希薄であること。組織が不十分な中でいくらITを充実させても・・とは思う。まあ、30分程度の車内で話しても伝わらないだろうし、彼は気づいていないだろうから言わなかった。
何よりも同じグループ内で、「あっちは指示してもやらない」とか「赤字のくせに」「離れ島のくせに」などとイガミ会うのはナンセンスだ。
実はS君には国立H大工学部・情報工学卒という肩書きがあるらしい。どうりでいろいろと造詣があるわけだ。それにしても何でそんなヒトがこんなトコにいるのか・・。S君、頼むで!
この十数年、すっかり「使用人」となったおとなしい私。
ただ、本当は役に立たない技能を、どこかで駆使したいと思っているだけなんです・・。
昼間は銀行で、帰り道は駅の売店で、S君と偶然会った。
彼は、先月より当勤務先の経営母体に入職した。
年齢は私と大差ない。元は某IT代理店の営業だった。当勤務先、経営母体の部長に気に入られ採用となった。
特別な待遇もなくウチのグループに来るなんて、以前の会社がよっぽど嫌だったというが?理由は定かではないが、彼は私たちの仲間となった。
彼は4年ほど前から営業で出入りしていたので人物像は知っている。ずいぶん上から目線で話す営業で、怪しげな男だと思っていた。
ス○オ君に似ている彼を煙たがる職員は多かった。
帰り道が同じ方向なので電車内で話す。
相変わらずの口調だが、実は昨日、グループウェアの件で、私の先輩VS経営母体の部長+S君 ひと悶着あったのだ。
「僕は改善点を見つけようと思い、今日は受付で仕事してました。ここは改めたほうがいいと思ったら遠慮なくスタッフに言いますよ。僕のことを入社1ヶ月の奴が生意気だという人もいますが、意見してくれて助かるという人もいます。ここに来て充実しています。ウチの職場は、みんな間違ったと思うことは手を上げて言いますね。そちらはどうですか?昨日、話をしていると上の人の顔色だけ伺って物を言っているだけで、何も考えていないようにしか見えませんでしたよ。そんなのは上の人を“お山の大将”にするだけなんじゃないですかね?」
「身内を庇う訳ではありませんが、私たちが育った環境なんですよ。そう簡単には抜けないでしょう。今でも強く意見することはありませんし。犬が忠実にフリスビーを取りに行く教育だったんですよ。ここに出入りされていたから分かるでしょ」
「フリスビーをボールに代えるという発想はなかったんですかね」
「“フリスビーを取りに行かせていただきありがとうございました”ですね。この状態で問題が生じなかったことを言い換えれば“経営が安定している”ということかな?一般企業なら没落してますよ、きっと」
「たしかに・・僕は職員が効率よく働きやすい環境を作り、しいてはお客さんのサービスにつなげることが自分の仕事だと思っています。現場で1日過ごしてみたらどうですか?よく分かりますよ」
(彼の指摘は一理あるが、ここでムッとする人もいるんだろう・・)
「あれこれ理由を付けてすぐに否定的なこと言う人は、文章で封じ込めてやってくださいよ。文学部出なんでしょ?」
(私は文学部出身ではないのだが;)
この男。口調はともかく、考え方は何歩も先を歩こうとしている。入社間もないモチベーションの高さと上司のバックアップもあるだろうが、単純に職場を変えようと、憚ることなく意見する男。
この考え方、商工会議所のようなところでは歓迎されるかも?どちらかといえば、経営者やコンサル向きだ。
何かと彼を悪く言う人はいる。安定や線引きを好む職場ゆえに、従来のやり方に固執するあまり、水を差されたような気分になるのだろう。
上司の意見や指示は避けられなくても、彼の持つ技能を取り込んで、スピーディーに自分の仕事をすすめることが今のタイミングではないかと思った。
こちらも能率が上がるし、S君という人材が生きるときだ。
何が問題かと言うと、彼が所属する組織が脆弱で、コミュニケーションすら希薄であること。組織が不十分な中でいくらITを充実させても・・とは思う。まあ、30分程度の車内で話しても伝わらないだろうし、彼は気づいていないだろうから言わなかった。
何よりも同じグループ内で、「あっちは指示してもやらない」とか「赤字のくせに」「離れ島のくせに」などとイガミ会うのはナンセンスだ。
実はS君には国立H大工学部・情報工学卒という肩書きがあるらしい。どうりでいろいろと造詣があるわけだ。それにしても何でそんなヒトがこんなトコにいるのか・・。S君、頼むで!
この十数年、すっかり「使用人」となったおとなしい私。
ただ、本当は役に立たない技能を、どこかで駆使したいと思っているだけなんです・・。