2007.08.19 Sunday
近江散歩
前日の二日酔いにもめげず、朝から出かける。
I君と待ち合わせ、草津で新快速から草津線に乗り換え、11:15貴生川(きぶかわ・滋賀県甲賀市)に到着。
今回使用するのは、近江鉄道と信楽高原鉄道が1日乗り放題で1,000円というお得な切符。
貴生川はその2社とJRが接続する駅。小旅行の始まりはここから。
まずは、信楽高原鉄道。1時間に1本しかないので、待ち時間に昼食を買いに出る。貴生川は甲賀市の中心から離れているためか、駅前は何も無い。少し歩いて地元スーパーを発見。
駅に戻ると1両のディーゼル車やってきた。
狸の信楽焼で有名な陶芸の街、信楽まで34分かけて走るローカル線。しかし、同鉄道は惨事を過去に秘める。今から17年前、1991年5月、信楽で開催された「世界陶芸博」へ向かう、満員の列車が正面衝突事故を起こし、多数の死傷者が出た。安全管理の不備が指摘され、法廷で長く争われる結果となった。大事故で有名になってしまった路線。
11:51、15人位の客を乗せて発車。ほとんどが地元の人。盆地に至る坂を登ってゆく。
やがて、問題となった信号場(すれ違い設備)を通過する。事故以降は使用されていない。ここですれ違うはずの列車が通過して衝突した。
ほどなく現場に差し掛かる。慰霊碑がある場所。驚いたことに、事故現場周囲の山は切り開かれ、第二名神高速の信楽インターが完成しつつあった。
古代に都が置かれた場所だけあり、盆地に入ると、アカマツ?の林など、山野には独特の風情がある。「雲居」「勅旨」などという駅名にもその空気が感じられる。
狸の置物に迎えられて信楽に到着。わずか6分で折返す。我々と同じことをしているマニア、いわゆる「乗り鉄」が3名ほどいる。
「広告類が何もないね」
I君が言う。なるほど、車内には広告や観光案内のような物が一切ない。過去の惨禍を悔やみながら、ひっそりと営業しているように思われた。
12:44貴生川着。(続く)